自己紹介

1~2歳 記憶無し

3〜4歳 年少

幼稚園に行くのが嫌だった。バスに乗るのを泣いて嫌がった。そのせいかは定かではないが、授業を抜け出し、暗い廊下で一人、同じ学年の幼稚園児全員分の靴を下駄箱から廊下にぶちまけるという悪戯をやった。それは完全犯罪で、そのときの後ろ暗い興奮は今でも覚えている。

 

4〜5歳 年中

家の近くに好きな女の子がいたが、引っ越してしまったのがとても悲しかった。ポケモンの絵を飽きずに模写していた。友達に影響されて電車なんかも描いていたが、本命はポケモンだった。ルギアとサンダーを何度も何度も描いてページをやたらに消費していた。模写専門で、自分でなにかをゼロから生み出すと言う事はしていなかったように思える。

 

5〜6歳 年長

行事の豆まきで、鬼役の先生を蹴ったら本気で怒られて叩かれたのがとても怖かった。「豆まき」というフィクションから平気で出て来た先生に対して「それはありなんだ」と思った。

 

6〜7歳 小学校一年生

「テスト」というものに憧れがあり、とても楽しみにしていた。落ち着きが無さ過ぎてしょっちゅう怒られていた。

 

7〜8歳 小学校二年生

あまり記憶が無い。怒られていた。

 

8〜9歳 小学校三年生

友達と一緒にネジやらなにやらをテープで貼り合わせて手作りの小さいロボットのようなものを作って遊んでいたら、先生に取り上げられてとても強く怒られた。学校をやめろとまで言われてこわかった。それまで積み重なった悪行もあるのかもしれないが、それにしてもひどいのではないかと今となっては思う。

 

9〜10歳 小学校四年生

あまり記憶が無い

 

10〜11歳 小学校五年生

あまり記憶が無い。空手を始めた。

 

11〜12歳 小学校六年生

ここら辺でスクールカースト的なものが出現しはじめたように思う。根がスポーティではなかったので、肩身が狭かった。演劇部に入ってはじめて舞台に立った。

 

12〜13歳 中学一年生

学校はそこまで楽しく無かった。演劇部が人数不足で潰れたので空手をやっていた。しかしそれでもスポーティな空気は身体から出ず、しかも課外活動なので、みな部活等で友達を作っている中やんわりとした疎外感を感じていた。

 

13〜14歳 中学二年生

もしかしたら、なんならちょっとここらへんでいじめられてたかもしれない。記憶が曖昧。空手をやっていたので暴力には自信があったが、この時代ではそれはあまり役に立たなかったのでもやもやした。

 

14〜15歳 中学校三年生

中三も入れるシステムだったので付属高校の演劇部に入りなおした。この年の初舞台で、自分の演技に対する圧倒的な自信を得る。この軸が自分の思春期や諸々を支えてくれた。舞台に立つのが本当に気持ちよくて、卒業まであと何回公演に出られるかを真剣に数えたりした。人生初の彼女が出来たが、なぜかしっくり来なくてすぐにうやむやにして別れてしまった。今となっては本当に最低。

 

15〜16歳 高校一年生

演劇が楽しかったし、特別進学クラスに入ったのでスクールカーストの例外的ポジションに移り、非常に学校の居心地が良かった。

 

16〜17歳 高校二年生

二人目の彼女、初めてセックスをした。周りのなかではわりと早い方だったのでこれはもうものすごい自信になった。あと彼女がとてもかわいい子だったので、世界で一番の幸せ者だと思った。この世に不可能は無い、という圧倒的な自己肯定感に満ちあふれていた。学校の先輩が小説を書いていた事を知り、あ、別に若くても書いていいんだ、という事に気付いてその真似事を始めた。

 

17〜18歳 高校三年生

受験やなんやかやで彼女と別れてしまった。割と勉強を真面目にやった。しかし受験勉強中は現実逃避で絵を描いたり小説を書いたりしていた。絵は本気でやっていた。デッサンを勉強し、けっこう上手くなったように記憶する。漫画用のペンやコピックを買いそろえ、没頭していた。予備校から帰って来たら、寝る時間を削って絵を描いていた。今思えば、受験という人間を型にはめるシステムから自分の心を守るために関係ない事をしていたのかもしれない。

 

18〜19歳 大学一年生

受験は成功。演劇はやるまい、と思っていたが、結局アドバンテージがあるほうがなにかとやりやすかったので演劇サークルに入ってしまった。実際小六から演劇に浸かっていた自分は無双状態で幅をきかせていた。他大学の彼女が出来たが、つまらなくて別れてしまった。周りからとても顰蹙を買った。いろいろのもやもやのぶつけどころがなく、あと早熟の作家や芸術家に憧れていたのでずっと小説やシナリオ、戯曲を書いていたが上手くいかなくてとても苦しかった。舞台上で役者としては無敵で、自分のやることなすことに全て根拠があり、自信に溢れていた。その感覚を紙の上でも表現したかったが、どうにもうまくいかなかった。その感覚を感じているときだけが、本当に生きている時間だと思った。普通に、人と同じような事をしていたら、その感覚は無い、と思った。

 

19〜20歳 大学二年生

未だに小説や戯曲を書くが上手くいかない。演劇もやめてしまった。そして自分の世界を広げる活動を始める。クラブに通ったり、ゴールデン街にで飲みに行ったり、行動力を活かして色々なところに行った。クラブで逆ナンされてそのままお持ち帰りという希有な出来事もあり、それはかなり自分の自信になった。なにしろ中高の時にモテなかったのがやたらとコンプレックスになっていたので、だいぶ生きやすくなった。その時のお姉さんは全く女神である。クラブで踊るのは大好きだった。舞台上で感じる全能感がそれにはあった。

 最果タヒの詩集をヴィレッジヴァンガードかなにかでみつけ、名前はよく文芸誌等で見かけていて変な名前だなと思っていたが、気まぐれに読んでみるとなかなか面白かったので買った。ここでまた、若くても詩は書いて良いのだ、という当たり前な事に気付き、詩を書いてみると、また例の全能感があるので、これだ、と思って毎日詩を書くようになる。小説や戯曲や絵や音楽やシナリオを通って来て、産みの苦しみ的なものを味わい続けて来たのに、詩は何故かすらすらすらすら毎日書けるので、これは楽しい、と思って毎日何遍も書く。書きたい、と思った時にすぐ形になるのが楽しくてしょうがなかった。プレッシャーも苦しみもなく、ただただ、楽しさがあったし、なにより、短い詩においては、自分なりの根拠を見失わないですんだので気が楽だった。毎月現代詩手帖へ投稿をした。最初の投稿でかすりもせず、くやしかったのでネットで詩を発表する事を決意

 

今に至る